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---陽菜side
はぁ、もう、陽菜最低だ。
ゆうちゃんの気持ちには気づかないふりしてた。
認めるのが怖かった。
ゆうちゃんのことは大好きだから、今の"親友"とゆう関係を崩したくなかった。
だから…
優子の事だから、一人で泣いてるんだろうな。
廊下を行ったり来たりして空き部屋を探す。
ある部屋の前を通りすぎようとしたとき、中から押し殺したような泣き声が聞こえた。
「ゆうちゃん…?」
「やだっ、こないでっ!」
「…じゃあ、このまま聞いてくれる?」
ドアノブに手をかけたまま、ゆっくりと息を吸った。
溢れる涙をおさえるように。
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