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「ごちそーさまでした」
手を合わせてお盆を運ぼうとしたら、リュウに横からお盆をひょいっと取られた。
「寝てなよ」
「え、だってあたしが食べたんだし……どうせ歯も磨かないといけないし」
食べた物は、自分で片付けるのが、昔からの鳴海家のルールなの。
「じゃあ早く歯磨きして、少しでも早く寝なよ」
「……ごめん」
「ごめんじゃなくて、ありがとう、だろ?」
リュウはそう、あたしには眩しすぎるほどの笑顔で答え、部屋をでていった。
……あたし、甘やかされすぎな気がするんだけどなー。
そう思いながらもあたしはとりあえず寝る準備をすることにした。
※※※
全ての準備を終え、またベッドに入ると、まださっきの温もりが残っていた。
あたしがベッドに入ってすぐに、ノックの音がして、リュウも部屋に入って来た。
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