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「だって愛子、寝言たくさん言うし、半分目が開いてるし、ヨダレ垂らしてるし」
「うわうわ、見ないで!それ以上言わないで!」
そんなとこを見られてたんじゃ、相当恥ずかしい。
「嘘だよ」
リュウは、ハハハ、といたずらっ子がいたずらに成功した時みたいに、大きく笑った。
「だからもう、寝なよ」
顔からは想像出来ない大きな手が、あたしの頭を撫でた。
びっくりして身体が反応すると、リュウの手が引っ込んで、また、微笑んだ。
それは、さっきの微笑みに限りなく近かったけど、決定的に、ナニカが違っていた。
……リュウも寝れてなくて疲れてるんだろうし、あたしが寝なきゃ、寝れないよね。
「リュウ、あたしが寝たら……ちゃんと自分の部屋で寝るんだよ?」
「ん」
あたしはリュウが頷くのを見てから、まぶたをゆっくりと下ろして、暗闇の世界へと入って行った。
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