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「お熱はどうですか?」
次の日、千代さんが家にやってくると、リュウは出掛けてくる、と言ってどこかへ行ってしまった。
「もう、大分下がったみたい。
お粥美味しかった。ありがとう、千代さん」
「よかったです」
ゆったりと微笑んだ千代さん。
「そうだ!ゼリーもありがとう。よく見つけたね、あれ」
「ゼリーは、私じゃあありませんよ」
「へ?」
ん、どういうこと?と思って首を傾げていると、千代さんはこう、説明した。
「私がお粥を作っている間に、リュウさんが買って来たんです。
ずいぶん前に、あれをお店で見かけたって言って……大分遠くまで買いに行ったみたいで」
リュウが、ゼリーを?
一言も、全くそんなこと言ってなかったのに。
買って来てくれたのは、リュウだったの?
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