第Ⅰ章:小さな勇気

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「フリード…フリードッ」 呼んでも返事がない。しかしフリードの胸は確かに上下して、息はちゃんとしている。気を失っているだけなのだろう。 「この少年はどこか怪我していないか?」 「あ…バーツの盾にされた時に俺が左肩を殴ってしまって…」 「その剣でか?良くて痣になって悪くて折れておるかもしれん。ここに包帯がある。応急処置程度だが、腕を固定しておくといい。」 教官は包帯を取り出すと近くに池がないか探しに行くと辺りを探し始めた。 ライナスはフリードの傷痕を確認するため上着のボタンに手をかける。 ふわ、 「え…?」 フリードの胸にはさらしが巻いてあり、押さえつけられてもなお小さく膨らんでいる膨らみが2つ。 「え、え?」 だってフリードは男で、ずっと一緒にいた幼なじみで、友達で、男で、女…? ぐるぐると回り始めた頭に少しお腹が痛くなった。 !第Ⅰ章:小さな勇気?
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