10人が本棚に入れています
本棚に追加
柵の前にはフリードの母親と俺の母親、畑を荒らされたおばさんが心配そうに灯りを持って待っていた。
「ライナス!」
「あんたたち大丈夫だったの!?」
フリードの母親は意識のない息子…娘に驚きを隠せず、立ち竦んだまま動かない。
俺はフリードのお母さんに大丈夫です。肩を強打しただけです。と話しかけたが不安は残るようで、泣きそうにフリードにしがみついた。
「こんな怪我するんなら退治なんてよかったんだ。あんたは?大丈夫なの?」
おばさんはライナスの背中をさすり、フリードの右肩を触った。
「俺は大丈夫です。後、畑の件ですが盗賊達の仕業だったみたいです。」
「ぇ!?だ、大丈夫だったのかい!?」
「ハイ。途中で騎士団の方に出会いまして、その方が盗賊達を捕獲して下さって連行しました。」
その後フリードを家まで送り届け、家に帰ると事情を話した父は良くやった。と頭を揺さぶるように撫でてくれた。
もう父より背が大きくなったのに、父は俺をいつまでも子供扱いする。
しかしその子供扱いは今日で最後になりそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!