第Ⅱ章:性別

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柵の前にはフリードの母親と俺の母親、畑を荒らされたおばさんが心配そうに灯りを持って待っていた。 「ライナス!」 「あんたたち大丈夫だったの!?」 フリードの母親は意識のない息子…娘に驚きを隠せず、立ち竦んだまま動かない。 俺はフリードのお母さんに大丈夫です。肩を強打しただけです。と話しかけたが不安は残るようで、泣きそうにフリードにしがみついた。 「こんな怪我するんなら退治なんてよかったんだ。あんたは?大丈夫なの?」 おばさんはライナスの背中をさすり、フリードの右肩を触った。 「俺は大丈夫です。後、畑の件ですが盗賊達の仕業だったみたいです。」 「ぇ!?だ、大丈夫だったのかい!?」 「ハイ。途中で騎士団の方に出会いまして、その方が盗賊達を捕獲して下さって連行しました。」 その後フリードを家まで送り届け、家に帰ると事情を話した父は良くやった。と頭を揺さぶるように撫でてくれた。 もう父より背が大きくなったのに、父は俺をいつまでも子供扱いする。 しかしその子供扱いは今日で最後になりそうだ。  
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