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「俺、騎士団に入るよ」
守りたいんだ、この村を。
助けたいんだ、ここの人達を。
失いたくないんだ、大切なモノを。
母はずっと拒んでいた。しかし父の行ってこいの一言に母も渋々同意した。
「ずっと毎日を退屈そうに生きてきたお前の口から、そんな言葉が出るなんてな…。むしろそんな毎日だから刺激を求めたのやら…」
「挫けそうになったらいつでも帰ってきていいのよ!?私達はずっと待ってるから」
「母さん…そんな言葉をかけたら駄目だ。帰ってくるな。挫けて諦めて帰ってきたりなんかしたら俺がぶっ飛ばしてやる」
「あなた…そうね…。勇者に故郷なんてないのよね…もうあなたを息子だとは思わないわ!」
「母さん…なんか違うよ…」
母さんは張り切って俺の好きな料理ばかり並べた。
この村での最後の母さんのご飯は、いつもより少し味が濃かった。
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