第Ⅱ章:性別

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「ごめん、森の中で傷の具合を見ようと服脱がした」 「あー… お前が責任取ろうとする意味がわかったよ」 別に隠したかった訳じゃないんだ。とフリードは近付いてきてリンゴの木に寄りかかり話し出した。 俺のとこ、親父は男の子が欲しかったらしいんだ。跡取りが欲しくてな。 でも生まれてきた子供は俺…女の子でさ、がっかりしたよ。 しかも母さん、俺を産む時難産で次の子供は見込めないと医師に言われてさ…親父はなんで女なんか産んだと母さんに怒鳴っては酒呑んで暴れたよ。 跡取りが女なんて世間の恥だと、俺を男として育てたんだ。 だから俺が女と知ってるのは村では母さんと担当の医者だけだよ。 親父が酒で早死にしてからも男を止めなかったよ。だって今まで男だった奴が実は女だったってわかってさ、お前今まで通りいれるか? いれないよな。やっぱり男は男と連むのが普通だし。 俺はお前が側から離れるのが嫌だったんだよ!!  
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