第二話

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ここは恐らく洞窟かなにかの中なのだろう 周りを見渡すと周りにはゴツゴツとした岩しかないが足下の方からは明かりが入ってきている 「あ…あの~…」 人の気配がまったくしない洞窟内で恐る恐る声を出してみたが… ……………… やはり返事はなく静寂が再びこの場を支配する 「ここ…どこなんだろ…」 私のいた場所は周りにビルやらなんやらが立ち並びとても洞窟があるようには思えない… しかもあの太った男… 「太った…男…?」 私があの男のことを思い出すと体がまるで痙攣したかのように小刻みに震え始めた 「いや…いや…」 あいつのことを思い出しただけで恐怖に支配され目の前は不安一色になり体が行動力を失う 「誰か…助けて…」 小さな声で呟き頭を抱え背を丸めたが… 小さくなった私を優しく撫でてくれるような者は誰もいなかった
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