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早朝。
夜が明けて間もないと言うのに、
世界最強の名を持つ者の家では、
厳しい修行が行われていた
「<フレイムオーラ>」
大きな部屋の真ん中で、目を瞑って正座をしている少女『天宮 奏』
奏が、口から紡いだ魔言(マゲン)は大きな赤いオーラとなって奏を包み込む
「…<宵闇>」
さらに紡がれた魔言は、黒い輝きを放ちながら奏を包んだ
魔言は、魔法を使う際に紡ぐ言葉
これを言わずに魔法を使う事も出来る
その方法は、無詠唱と呼ばれ、恐ろしく魔力を消費する
威力は凄いが、失敗した時のリスクと成功率の悪さから、滅多に使われない
そして、先ほどから奏が行っている魔言は詠唱破棄というモノだ
まず、魔法には必ず『詠唱文言』というものがある
これを唱える事によって、威力が高く質の良い魔法を作る
だが、詠唱を言って発動させる魔法は時間が掛かる
もし、急いでいる時などに使うなら詠唱はまどろっこしい存在となる
だから、威力は少し弱くなるけど楽に魔法を発動させられる方法、詠唱破棄がこの世界では重鎮されている
「うんッ!!今日もこれで大丈夫かな」
身の周りに赤黒い炎を纏った奏は、正座を崩してゴロンと寝転んだ
「いつになったら、外に出られるのかなぁ…」
寝転びながら、上空に左手をかざす奏
スラッとした細い5本の指には、炎が灯っており、
瞬時に色が入れ替わる
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