天宮 奏

2/4
前へ
/8ページ
次へ
早朝。 夜が明けて間もないと言うのに、 世界最強の名を持つ者の家では、 厳しい修行が行われていた 「<フレイムオーラ>」 大きな部屋の真ん中で、目を瞑って正座をしている少女『天宮 奏』 奏が、口から紡いだ魔言(マゲン)は大きな赤いオーラとなって奏を包み込む 「…<宵闇>」 さらに紡がれた魔言は、黒い輝きを放ちながら奏を包んだ 魔言は、魔法を使う際に紡ぐ言葉 これを言わずに魔法を使う事も出来る その方法は、無詠唱と呼ばれ、恐ろしく魔力を消費する 威力は凄いが、失敗した時のリスクと成功率の悪さから、滅多に使われない そして、先ほどから奏が行っている魔言は詠唱破棄というモノだ まず、魔法には必ず『詠唱文言』というものがある これを唱える事によって、威力が高く質の良い魔法を作る だが、詠唱を言って発動させる魔法は時間が掛かる もし、急いでいる時などに使うなら詠唱はまどろっこしい存在となる だから、威力は少し弱くなるけど楽に魔法を発動させられる方法、詠唱破棄がこの世界では重鎮されている 「うんッ!!今日もこれで大丈夫かな」 身の周りに赤黒い炎を纏った奏は、正座を崩してゴロンと寝転んだ 「いつになったら、外に出られるのかなぁ…」 寝転びながら、上空に左手をかざす奏 スラッとした細い5本の指には、炎が灯っており、 瞬時に色が入れ替わる
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加