吸血姫

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吸血姫

この世には、人間のような生き物の他にも色々な生物が存在していた。 犬や猫といった四足歩行の動物はもちろん、蛙やハエなどという主に嫌われた存在である虫という生物も居る。   いつの時代も人間達に恐れられ、西洋では家畜などにも恐れられている存在もある。   ――吸血鬼(ヴァンパイア)。   西洋にはもちろん、東洋にも存在する。 彼らは人間や家畜の血を吸い、夜に生きる――怪物(化け物)。   彼らに噛まれ、血を吸われた者は吸血鬼になる。 などという伝説もある。 けれどそれは伝説に過ぎない。 人間の血を吸い、その人間を同族に引き込むことの出来る吸血鬼は存在したが、それは極一部のみ――人間の血が少量も混じっていない、純血系統の吸血鬼のみ。   その純血系統吸血鬼も、今や不純血系統の吸血鬼より少なくなった。  
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