終わりと始まり

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祖母、ミュールが出した課題は、 実に意外なものだった。 「実はね…。その本には名前が無いの。」 少しばかり、寂しそうな笑顔で おばあちゃんは続きを話した。 「私が初めて会った頃から無いのよ。 ……本当は、病気で亡くなった貴女の母、リコリスに名付けて貰おうと 思っていたの。 でも、リコリスは名付けてはくれなかった」 リコリスなりの考えがあったから、 名付けなかったのでしょうけど…。 今までは曖昧なままだったけれど、 ラワーレならきっと、 この本に相応しい名を付けてくれる事を信じて。
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