終わりと始まり

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ラワーレはそんな想いを込めて、名を付けたのだった。 「この本に、言葉では言えない程、良い名前を 付けてくれて、ありがとう。 今日からその本は空のものよ」 ラワーレが少し驚いた顔をした。 ゛素晴らしい持ち主に出逢えたわね。『世界への湖鐘』″さん。 「ラワーレが名付けてくれて、本当に良かったわ」 ゛リコリスが名を付けなかったのは、 身ごもったラワーレの為だったのかも しれないわね。 リコリス、貴女の娘は、こんなにも 賢明に今を生きようとしているわよ″ 真っ直ぐ私を見詰めてくるアモーレを見て、 そのラワーレの姿勢や眼差しが、 亡くなったリコリスの面影と重なって見えた。
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