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しばらく進んでいると、前方に町が見えてきた。
ラルクは安堵したように息を吐く。
町の中に入るが、人の気配が全く感じられなかった。
「あのー! 誰かいませんかー!」
返事は、返ってこない。
その代わりに聞こえてきたのは
「アァァアァッ!!」
人のものとは思えない、雄叫びのような声だった。
全長5メートルはあるだろうか……
巨大な蛇がラルクの前に姿を現す。
「なんだこいつ……っ!」
ラルクは思わず後ろへ下がった。
「アァ!!」
大蛇はラルクに突進してきた。
ラルクはそれをかわし、一目散に逃げた。
(冗談じゃない! あんなのいちいち相手にしてられるか!)
大蛇もすかさず、ラルクの後を追う。
徐々に、ラルクと大蛇との距離が迫っていった。
「くそっ……っ! でかい図体なのになんて速さだ」
大蛇が、すぐ後ろにいるのを感じる。
後ろを振り向くと、大蛇が大きな口を開けていた。
「ハァ、ハァ……」
息が上がってきた。
足も、もう思うように動いてくれない。
ダメだ……
そう思った時だった。
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