01.呼び声

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しばらく進んでいると、前方に町が見えてきた。 ラルクは安堵したように息を吐く。 町の中に入るが、人の気配が全く感じられなかった。 「あのー! 誰かいませんかー!」 返事は、返ってこない。 その代わりに聞こえてきたのは 「アァァアァッ!!」 人のものとは思えない、雄叫びのような声だった。 全長5メートルはあるだろうか…… 巨大な蛇がラルクの前に姿を現す。 「なんだこいつ……っ!」 ラルクは思わず後ろへ下がった。 「アァ!!」 大蛇はラルクに突進してきた。 ラルクはそれをかわし、一目散に逃げた。 (冗談じゃない! あんなのいちいち相手にしてられるか!) 大蛇もすかさず、ラルクの後を追う。 徐々に、ラルクと大蛇との距離が迫っていった。 「くそっ……っ! でかい図体なのになんて速さだ」 大蛇が、すぐ後ろにいるのを感じる。 後ろを振り向くと、大蛇が大きな口を開けていた。 「ハァ、ハァ……」 息が上がってきた。 足も、もう思うように動いてくれない。 ダメだ…… そう思った時だった。
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