01.呼び声

7/9

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
羽を休めていた鳥たちが、一斉に飛び立っていく。 銃弾が、大蛇の目を撃ち抜いていた。 大蛇は叫び声をあげながら、この場から去っていく。 「おい、大丈夫か?」 鎧姿の男が、ラルクに駆け寄る。 「あ、あぁ…… あんた、誰だ?」 「俺はサイラスだ」 サイラスと名乗った男は、ポケットの中を探る。 そして見せられたのは、騎士の証であるエンブレムだった。 「俺はラルク。あんた、【騎士なのか?」 「あぁ。【ヴァーデス】という騎士団に所属している」 「そんな人が、なんでこんな所に?」 「俺にもわからないんだ。突然辺りが明るくなって、気が付いたらここにいた」 「そうか…… 俺もなんだ。ここは一体どこなんだ?」 「さぁな。分かってるのは、さっきみたいな化け物が他にもうろついてるってことだ。とりあえず、出口を探そう」 ラルクは頷く。 「……えますか」 (えっ……?) また、あの声だ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加