01.呼び声

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「こんな所に、一体何があるって言うんだ」 教室の中で、ラルクは深い溜め息をついた。 どうやらここには何もないようだ。 外へ出て、別の教室のドアを開いたラルクは、顔を歪ませた。 教室内に充満している血の匂い。 目の前に転がっている数人の死体。 吐き気がした。 ラルクは口を手で覆う。 「人間……かな?」 血の匂いに耐えられなくなり、ラルクは一旦、教室の外へ出る。 「泣きそうかも……」 死体を初めて見たラルクには、かなり衝撃的な光景だった。 その時、視線を感じたラルクは、後ろを振り向く。 青い瞳を持つ、制服姿の男が立っていた。
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