第三章

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「アホか。子供は子供らしく、自分の感情に素直になってればいいんだよ。あれこれ考えんな」 「なっ!?人が色々悩んでるのに――」 「な?」 無視。可愛くないガキンチョの言う事なんて、更々聞くつもりもない。 返事を待たずして、俺は跳ぶ。跳躍する。 トンと、屋根の上に着地したところで、    Bind 「『結ぶ結ぶ』」 ものの見事に捕まった。 「せーんせい、つっかまっえたー」 不自然に陽気なファイの声。 「さ。早く契りを交わしましょう。最寄りの宿舎は把握済みです」 言って、否応なしに俺をずるずる引きずっていくファイ。縛られていてはどうする事も出来ず――バランスを取る事もだ――、されるがままに引きずられる。 痛い。背中が擦れる。
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