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母親が 俺の気が変わらないうちにと…
さっそく家庭教師を頼んだらしい。
今日 夕方6時過ぎに来るらしい。
学校が終わるやいなや とんで帰った。
着替えて部屋で待っていた。
コンコン
「どうぞ。」
ドアを開けると―
すらっと背の高い 男の先生が立っていた。
心の中で(男か…)と少々がっかりしながら 椅子に腰掛けた。
「俺はケイイチロウ。よろしくね。」
「カズヤです。よろしくお願いします。」
「苦手な教科はなに?」
「5教科は苦手…です。」
「得意な教科は?」
「‥体育と音楽。」
「そっか‥そりゃ受験には困るね。」
「はい。野球ばかりしてたし‥。」
「わかった。入試まで一緒に頑張っていこう。」
「お願いします。」
これが優しく厳しいケイイチロウ先生との出会いだった。
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