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「……。」
「さっきからやけに静かだな。入学式なのだから少しは喜んだらどうだ?」
一方では、一対の羽根が生えた男女が講堂前で会話していた。
「いや……嬉しいのは嬉しいんだがな、レイド。…………いい加減此処の入学式は飽きたな。」
レイドと呼ばれた青年は、青く煌めく彼女の頭を撫でた。
「クリアリス、理事長の話が妙に間延びするからって寝るなよ?」
「寝はしないが、あくびはするかもな。」
お互いにクスクス笑っていたが、ふとクリアリスが駆け足で講堂に向かう水色の髪の女の子―ルネを目にやった。
ルネも講堂に入ろうとしたが、視線を感じピタッと立ち止まり、クリアリスをじっと見つめる。
そのまま無言でお互い歩み寄り……
何故かガッチリと握手をした。
そしてお互いまたそれぞれの場所に向かう。
その様子を見ていた周囲の人々は、拍手を送った。
レイドはただ不思議そうに首を傾げた。
「どうした?」
「い、いや何か他人の気がしなくてだな……。」
(私も疑問だ……)
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