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「人多いなー。これ全員1年生かなぁ。」
ルネがぼそっと疑問を呟くと、エレも「そうですね……」と答えた。
その時、ちょんちょんとルネの肩を誰かがつついた。振り向くと、ピンク色した髪をツインテールに纏めた小さな女の子がにこっと笑っていた。
「きょうはねー、『ちゅうとうぶ』と『こうとうぶ』のにゅうがくしきなのー。だからひとがいっぱいなんだよー!」
その子は「あっ」とまた声を上げると、
「ちゅうとうぶいちねんのサリチェ!さっちゃんってよんでね!」
と自己紹介をした。
「私は高等部1年のルネ、よろしくねさっちゃん!あ、こっちはエレ!」
「よろしくおねがいします。」
エレも笑顔であいさつすると、サリチェはにこにこしながら「よろしくー!」と言った。
この学園は中等部、高等部、大学すべての施設が1つの校舎に収まっており、今日はそのうちの中等部と高等部が合同で入学式だったようだ。
大学はまた別の日に入学式があるらしい。
そのことを思い出したルネは、再び感嘆のため息を吐いた。
「今更だけど、広いよね……」
「そうですね……あ、始まるみたいですよ。」
エレがそう言うので前を見る。数名はすでに壇上の横に設置された椅子に座っていた。
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