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(あれが校長と理事長よね……あの子は学年代表……?さっき見たような)
はじめの言葉と校歌を軽く聞き流しながら、ルネはボケっと考えていた。
「次は、生徒代表挨拶。レイド、お願いします。」
「……はい。」
(あ、さっき握手した人と一緒にいたお兄さんか……え、同学年だったの!?)
レイドと呼ばれた青年が堂々と、そしてすらすらと文章を読み上げていく。
「ねぇ、エレ。学年代表って一番成績が良い人だっけ。」
「そうですね……入試結果と中学校の成績の総合が一番良かった方だと思います。」
ふぅん……と納得したように頷き、レイドをじっと見ていた。
(確かに成績良さそうだよね。文章の構成も1年とは思えない出来だし……私が代表だったら色々やらかしてる所だよね。)
自分が壇上に上がって文章を読む姿を想像して、ちょっと吹きだしてしまった。
エレが隣から心配そうに見ている。
「い、いや自分が代表だったらどんなんかなーって思っただけ……。」
「そ、そうですか……」
「……充実した学園生活を送りたい。以上、学年代表レイド=サファル=アルトローグ。」
どうやら読み終わったようで、レイドは一礼してからすたすたと横の椅子に座った。
講堂は拍手の音で埋め尽くされた。
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