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「次は……校長と理事長の話ね。」
校長は黒髪の男だった。長く尖った耳が特徴的である。
彼は淡々と授業や部活に励むようにと話していった。
と、突然。
「エルゼノス、そんな話じゃつまんないよ。」
横の席から水を差すような台詞。
皆の視線が集中し、ざわざわと騒がしくなった。
(あぁ……、理事長またしても……)
クリアリスは、頭痛がして額に手を当てた。
「またお前か……」
エルゼノスと呼ばれた校長は呆れ顔をしたが、最早諦めているのか素直に横にずれる。
ルネとエレ、他の生徒たちは皆何があったのかと頭に疑問符を浮かべていた。
「やあ、私は理事長のサジリアス。今からちょっと学校の事を話するよ。」
理事長はそう言ってお茶目にウインクをした。
こうして、長い長い理事長の話が始まったのである。
「むしろお前の話の方がつまらんだろ……」
と静かに校長がつっこみを入れたが、理事長には聞こえていなかったようだ。
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