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扉を開けて中に入ると、とても良く知った人が座って待っていた。
「お久しぶりです。」
「あっ!藤嶋さん!」
そう、そこに座っていたのは俺がこの病気に掛かった時に色々とサポートや相談に乗ってくれた役所の藤嶋さんだった。
俺がお世話になった病院の先生と結婚し、俺と同じ病気だったんじゃないかな?と思わせる藤嶋さん。
「桜さん、聞きましたよ?
ミス早應に選ばれたんですってね!おめでとうございます!」
「あ、どうも!
でも、たまたま運が良かっただけなんですけどね。
って、それよりも今日はどうしたんですか?」
「実は桜さんにお願いがあって来たんです。」
藤嶋さんの真剣な顔を見ると、それがただ事でない事は明白だった。
「ここだとちょっとマズいんで私の車に移動しませんか?」
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