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――出発の2日前、俺と圭が仲良く暮らしている愛の巣(って言ってもまだ1週間くらいだが)に突然迎えがやって来て、俺は半ば強引に拉致され、気付いたら藤嶋さんが勤めている研究所にいた。
「桜さん!
実はこの病気、日本での症例はまだ10件にも満たないんです。」
「はぁ?」
小さな会議室に通されたと思ったら挨拶もそこそこに、急に藤嶋さんの講義だ。
「10件未満っていうことは私はスゴイ確率で当たっちゃったんですねぇ。」
ハッキリ言って俺にやる気なんてものは無い。
「そうです!物凄い確率なんです!
ですから我々も今まで蔑(ナイガシ)ろにしていた部分もあります!
しかし、桜さんをきっかけに少しずつ変わり始めたんです。」
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