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立ち止まっていた有希に追い付き、その視線の先を見ると小さな建物が建っていた。
「なんだろ?」
純粋に言葉を零す有希と同じ感想を持った。
この建物はなんだろう?
とりあえず2人でぐるっと1周まわってみる。
と、建物の入り口らしきところで竹箒を手に掃き掃除をする袴姿の女の子がいた。
「おはようございます。」
掃除に夢中なその子に、少し距離はあるが挨拶をしてみると、箒を動かす手を止め、お辞儀をしながら小さく「おはようございます。」と返してくれた。
「あまりお見掛けにならない方ですが、もしかして新入生の方ですか?」
「あ、いえ、実は2年に転入して来た宮下桜と言います。
こっちは同室の須田有希です。」
有希と合わせてお辞儀をすると、彼女も軽く会釈をして近付いて来てくれた。
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