春休み最後の日

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「そういえば、しーちゃんが南館に転校先がやって来るって言ってましたが、お2人の事だったんですね?」 関心しながら俺達をじろじろと舐め回すように見て来る。 というか、しーちゃんって誰なんだ? 「えーっと、失礼なんですがあなたは?」 周辺を冒険したくてウズウズしている有希の襟を掴み、どこかにフラフラと行かないように確保しながら尋ねる。 「すいません。自己紹介がまだでしたね。わたくし3年A組の平井春(ヒライハル)と申します。 しーちゃん同様、東館の寮長を勤めてますので何かあったら言って下さいね。」 「あ、すいません。 よろしくお願いします。」 もう一度深々とお辞儀をする。 なるほど、『しーちゃん』ってのは紫水さんのことなんだろう。 同じ寮長同士なら親しくても不思議は無い。
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