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傷付けないように言葉を選びながら会話を進めて行く。
「えーっと、平井さんは練習しないんですか?」
「わたくしはあまり上手ではありませんので。」
だーかーらー!
練習するんだろうがっ!
とは、言えない訳で。
引き攣った満面の笑みで話をしていると、さっきまで右手でしっかりと掴んでいたはずの有希がいなくなっているのに気付いた。
「あの、話を止めてしまって申し訳無いんですが、ココにいたちっこいの知りません?」
有希がいた場所を指で差しながら尋ねると、平井さんは顎に指を当て「うーん」と可愛く考える。
「多分、中じゃ無いですか?」
どうやら俺達が話している間に弓道場の中に入ってしまったらしい。
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