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家の中に入ると、翔はいつものように優しく私に話しかけてきた。
「真理…おかえりなさい」
「翔…ただいま
……そして、待っててくれてありがとう…」
私は再び涙が溢れてきた。
翔は持っていたハンカチを無言で差し出してくれた。
それからしばらく私達無言だった。
きっともう会えないと思っていた翔は驚きと緊張で話すことができなかったのかもしれない。
私も何から話せばいいのか分からなくて…
そんな状況だった。
それでも気まずいということは一切なかった。
翔と一緒の空間…
ただそれだけで…ただそれだけで幸せだった。
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