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それからしばらくして、翔が「お腹すいたでしょ?」と聞いてきたので、私は「うん」と頷いた。
正直、翔に会えると思っていたら緊張して朝から何も食べていなかったから…
キッチンに立って料理している翔の姿を見てドキドキしていた。
私は緊張のせいか、翔が料理を運んでくるまで正座してずっと待っていた。
「そんな正座して待ってることはないのに…」
翔はニッコリしながら料理を運んできた。
「だって、私何もしてないのに、リラックスして待ってるワケにはいかないよ」
「あはは、やっぱり真理は真理だね…あの時から何も変わっていないね…
本当に嬉しいよ…
あぁ…本当に真理なんだ…」
翔はテーブルの上に料理を置き、「さぁ、食べようか」と少し目に涙を浮かべながら言った。
「んっ!おいしい!!
翔って料理できるんだね」
「真理…今失礼なこと言ったの分かる…?」
「そう?思ったことをそのまま言っただけよ?」
短い時間ではあったが、少しずつ少しずつ昔の空気戻っていくのが分かった。
この空気が大好きだった。
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