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「ロプセンベルクにようこそ。
これほどの集団転移とは素晴らしい魔法ですね。」
住民は慎悟ぐらいの高校生ぐらいの少年だった。
ツンツンの金髪に、紫色の瞳。
服は白と緑色の木綿地の普通の服。
背中には、大きな剣。
魔法もあることだし本当にゲームの世界だ。
「…ロプセンベルク?
ここは、ロプセンベルクというのですか?」
有築調査隊長が、代表して少年に接触する。
言葉は通じるようだ。
「はい…ええと、皆さんは旅行者ですか?
ロプセンベルクに来るだなんて物好きですね。」
少年は一行の無知を呆れたように口を開く。
「物見遊山なので。」
有築調査隊長は、ばつが悪そうに頭を掻いた。
詳しいことはまず口にしない。
「物見遊山ならなおさら本当に物好きですよ…。」
目を閉じる少年。
やがて、静か過ぎるぐらいに淡々と言葉を紡いだ。
「ここは軍事国家なのに。」
「はぁ?」
その場の全員が固まった。
「うぉぉっ!」
城から大勢の男の雄叫びが聞こえる。
「今、国の兵士は訓練中ですからね。
刺激すると斬られますから、気をつけて下さいね。」
こともなげに物騒なセリフを口にするこの少年も危ない。
平和な日本とは違うことを改めて思い知らされる。
「いや、軍事国家って…戦争でも始めるんですか?」
慎悟は不安でたまらなくなり…黙っていられなかった。
「戦争はしますけど。
そんな頻繁にはやりませんよ…お金かかりますし。
あ、僕はコリンといいます。
ロプセンベルクの住人ですけど外の世界にも興味があるんですよ。
家の都合で外に出してもらえませんでしたからね。
少しお話しませんか?」
好奇心が強いのか、コリンは慎悟に話しかける。
「特に、あなたには強いチカラを感じます。」
慎悟のことをコリンは見抜いていた。
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