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異世界から戻ってくると、コリンは見たこともない景色に感銘を受けた。
着いた先は和室。
「ここが異世界ですか。
この床敷きは、草で出来ているのですか?」
見るものすべてが別世界。
畳からして興味をそそったらしい。
まるで、知的好奇心旺盛な子供のような反応だ。
「ああ…畳というんだよ。
気にいったようだね。」
有築調査隊長が、からからと笑い出した。
「とはいえ、君には住むところはないだろう。
良かったらうちに来るかい?」
あまりにも気さくな調査隊長。
「よろしくお願いします。」
コリンは、有築家にホイホイとついていく。
今日は本当に良い日だ。
異世界の人間がまた一人増えたのだから。
異世界の人間は多少研修を受けてから町長の下で働く。
それまでは、年齢上高校生の彼はツナギに転入という形になるだろう。
「今回は、友好的な方で良かったですね。」
友好的ではなかったら、逃げるしかない。
基本的にこの調査隊には戦闘能力は無いのだ。
「本当に賭けでしたね。
魔物のいる場所に飛んだらどうなっていたことか。」
コリンは、こともなげに口を開く。
「エンフォートには魔物がいるのですか?」
本当にゲームのような世界だ。
「…普通にいますよ?
資材にもなりますけど。」
魔物の肉体を生活用品に加工して、売買するらしい。
予想以上にたくましい世界である。
「僕としては魔物がいない世界の方が想像つきませんね…普通に戦ってばかりでしたし。」
コリンは自らの常識が通用しない世界に興味津々だった。
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