留学生

19/21
前へ
/31ページ
次へ
「ええっ?」 カードが守ってくれるかもしれないってどういうことだろう? カードのことは全く知らない二人にはコリンの言葉は興味津々だった。 「エンフォートの魔法体系には10の属性があります。 風…光…炎…水…土…闇…天…地…そして魔と雷。 エンフォートでは魔法を精霊から借りて放つものがあるのですが、そのカードは雷の王を呼ぶものです。 エンフォートでは神将(しんしょう)と言われますね。」 「え゛?」 何か恐ろしいことに巻き込まれたような気がするのは気のせいか? 特に当事者の菜緒は。 だが、もう逃れられはしない…カードをこちらの世界に持ち込んだ時点ですでにこの町はエンフォートに攻められる理由になっている。 エンフォートに異世界渡航の技術があったらの話だが。 「菜緒さん、雷の王を呼んで下さい♪ あなたにはその素質があります…そして彼の主として認められて下さい。 エンフォートでは神将のカードを扱う素質で人間が選り分けられ…そのチカラを巡って600年戦争を繰り返してきました。 あなたがその連鎖を止めて下さい。」 案の定、恐ろしいことを口にした。 「ちょっと待って?」 納得は出来なかった。 いきなり世界をどうたらしろとか。 「ちょっとコリン?」 慎悟も何も知らなかったのでさすがに言葉が荒くなる。 「エンフォートには英雄バカしかいませんが…その原因を作ったのがそのカードです。 ロプセンベルクはその最もたるものですがね…僕はもう飽きたんですよ。」 毒舌にも近い、吐き捨てた口調で醒めたコリンの過去話が一部明かされる。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加