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「ええっ?」
カードが守ってくれるかもしれないってどういうことだろう?
カードのことは全く知らない二人にはコリンの言葉は興味津々だった。
「エンフォートの魔法体系には10の属性があります。
風…光…炎…水…土…闇…天…地…そして魔と雷。
エンフォートでは魔法を精霊から借りて放つものがあるのですが、そのカードは雷の王を呼ぶものです。
エンフォートでは神将(しんしょう)と言われますね。」
「え゛?」
何か恐ろしいことに巻き込まれたような気がするのは気のせいか?
特に当事者の菜緒は。
だが、もう逃れられはしない…カードをこちらの世界に持ち込んだ時点ですでにこの町はエンフォートに攻められる理由になっている。
エンフォートに異世界渡航の技術があったらの話だが。
「菜緒さん、雷の王を呼んで下さい♪
あなたにはその素質があります…そして彼の主として認められて下さい。
エンフォートでは神将のカードを扱う素質で人間が選り分けられ…そのチカラを巡って600年戦争を繰り返してきました。
あなたがその連鎖を止めて下さい。」
案の定、恐ろしいことを口にした。
「ちょっと待って?」
納得は出来なかった。
いきなり世界をどうたらしろとか。
「ちょっとコリン?」
慎悟も何も知らなかったのでさすがに言葉が荒くなる。
「エンフォートには英雄バカしかいませんが…その原因を作ったのがそのカードです。
ロプセンベルクはその最もたるものですがね…僕はもう飽きたんですよ。」
毒舌にも近い、吐き捨てた口調で醒めたコリンの過去話が一部明かされる。
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