あなたをスキになる方法

２

「あ、あれ？
この辺じゃなかったっけ？」

とっくに数学第２職員室を通り過ぎたのに、
未だに目的の部屋は見つからない。

数分その辺りをキョロキョロ探してみたが、
見つかる気配すらない。

神様が行くなって言ってるんだよね…。

もうこのまま帰っちゃおうかな――

「おい。」

――ビクッ。

「何やってる。」

「あ…えーと……。」

恐る恐る振り返ると、
やっぱり先生がいた。

「まさか、迷ったとか言わないだろうな？」

「え、えへっ。」

「ありえない…。
ついでにかわいこぶっても無駄だ。」

「…ちぇ。」

「……こっちだ。」

あれ、思ってたより怒らない。

ちょっとだけ拍子抜けした。