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季節は冬に変わり寒い日が続いた。
私と恋くんは桜太に、何故一人で会いに行くのかと問い詰めたが、話を逸らされた。
そんな遣り取りが何回も続いた。
繰り返す度に徐々に私達を無視するようになった。
最後には私達の前から消えた。
…話を聞いてくれるだけ増しだった。
私と恋くんは時間を見付けたは、桜太の行きそうな場所を探したが、当ては何処も外れた。
恋くんは私に、もう諦めよう。
アイツはあの男の所に行ったんだと言った。
……諦めよう。
そう思い、探すのをパタリとヤメた。
年が明け、テレビでは特番をやっている。
ニュースでは、初雪が降るかもしれないと報じていた。
そんな日だった。
突如として、桜太からの手紙が届いた。
内容は、恋くんと一緒に砂浜に来いと言う内容だった。
私と恋くんは直ぐ様、指定された砂浜に向かった。
陽の暮れた寒空の中、砂浜にポツリと立っている桜太を見付けた。
桜太はこちらに気付くと、一緒に来いと話を切り出した。
私達は嫌だと答えた。
恋くんは桜太の身体を揺すり、皆で戻ろうと言った。
桜太は手を払い除け、
「俺は紫藤に復讐するんだ。
それにお前は要らない」
そう言って、恋くんを殴った。
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