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「アナタは私達の絆を壊した!
あの時、アナタが現れなかったら!!」
「別に私は坂谷さんを呼んだ覚えはありません。
桜太くんが、どうしても連れて行きたいと言うから入れてあげたんですよ」
大倉はテーブルから離れ、ブラインドを上げる。
「そんな事の為に、私を探していたんですか?」
「ええ、そうよ」
大倉はクルリと振り返り、ゆっくりと口を開けた。
「くだらない」
「何!?」
「くだらない、と言ったんですよ。
どうであれ、この道を選んだのは坂谷緑、アナタだ」
「クッ………」
「この道を進んで、途中で都合の悪い事があったら人のせい、ですか?
何と、幼稚な。
ハハハハッ!!!」
「黙れ!!大倉貴文!」
ポーチから素早くクナイを取り出し、身構えた。
「動くなと言った筈だ!」
忍刀を坂谷の身体に突き立て、冷め切った剣幕で睨んだ。
「うるさい!
私は大倉に用があるの!
アナタには無い!」
「それは結構だ。
だが、我がボスを狙うのなら話は別だ」
クナイの切っ先を松村の腹に向け、二人は睨み合う。
フッ
「松村」
「!!」
一瞬で!
いつの間に…。
二人の目の前に大倉が現れ、クナイと忍刀の刃を握る。
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