仲間と絆

19/25
前へ
/927ページ
次へ
「アナタは私達の絆を壊した! あの時、アナタが現れなかったら!!」 「別に私は坂谷さんを呼んだ覚えはありません。 桜太くんが、どうしても連れて行きたいと言うから入れてあげたんですよ」 大倉はテーブルから離れ、ブラインドを上げる。 「そんな事の為に、私を探していたんですか?」 「ええ、そうよ」 大倉はクルリと振り返り、ゆっくりと口を開けた。 「くだらない」 「何!?」 「くだらない、と言ったんですよ。 どうであれ、この道を選んだのは坂谷緑、アナタだ」 「クッ………」 「この道を進んで、途中で都合の悪い事があったら人のせい、ですか? 何と、幼稚な。 ハハハハッ!!!」 「黙れ!!大倉貴文!」 ポーチから素早くクナイを取り出し、身構えた。 「動くなと言った筈だ!」 忍刀を坂谷の身体に突き立て、冷め切った剣幕で睨んだ。 「うるさい! 私は大倉に用があるの! アナタには無い!」 「それは結構だ。 だが、我がボスを狙うのなら話は別だ」 クナイの切っ先を松村の腹に向け、二人は睨み合う。 フッ 「松村」 「!!」 一瞬で! いつの間に…。 二人の目の前に大倉が現れ、クナイと忍刀の刃を握る。
/927ページ

最初のコメントを投稿しよう!

587人が本棚に入れています
本棚に追加