仲間と絆

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次の瞬間、坂谷の首元に鋭く小さな痛みが走った。 「ッ!」 異変があった首元を素早く手を覆い、"回復"を発動させる。 パアァァ 「無駄よ。 私の"回復"を侮らないで!」 投げたクナイを拾い上げ、大倉に向けて投げ飛ばした。 キンッ! クナイをクナイで弾き返し、天井に突き刺さる。 「防御は完璧だが、アナタは攻撃に欠ける」 大倉は手に持ったクナイを投げ捨て、松村に忍刀を自分に貸すよう言った。 忍刀を受け取ると逆手に持ち、肩の力を抜く。 「坂谷さん。 私の事、嫌いですか?」 「何を今更! 恋くんが死んだのは全て、全てアナタのせ………」 ガクッ !!?? 膝が笑い出し、手に持ったクナイを床へ力無く落とす。 何?何で? 力が抜けていく? 私、何かした? 昏倒しそうな身体を気力で持ち堪え、倒れるのを防ぐ。 顔を上げると、大倉の手には手頃な大きさの注射器があった。 「そ……それ…」 「やはり、改良の余地がありますね。 効くまでに時間を食う」 「何…したの?」 「能力者の中に存在する"TPOI"細胞を抑制する薬。 名を"stop"」 ストップ…?
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