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コーヒーでも飲むか…。
今、金持ってたっけ?
ポケットに両手を突っ込み、小銭が無いか探すが一円も見つからなかった。
部屋に戻って、財布取ってくるか。
少年は溜め息を付き、自動販売機から離れる。
高地にまた、奢って貰おうかな。
応援部隊が高地と真下さん所へ派遣されて、同じく三日が経過した。
まだ、高地も真下さんも応援部隊も戻って来ていない。
応援部隊からの最後の報告では、第三支部の中は藻抜けの殻で、出血や何か焦げた後が多数見られた。
このまま、高地と真下の捜索を続ける。
そう言って、通信は切れた。
それ以降の連絡は無い。
こちらから呼び掛けても応答は無し。
全員、殺された。
神隠しに遭った。
などと、変な噂が流れた。
その中に、高地がまた暴走した…と言った噂もあった。
そんな噂、俺は信じない。
高地は自らを悔やみ、立ち直った人だ。
暴走する筈が無い。
エレベーターに乗り込み、ボタンを押そうとする。
「ちょっと待ったァ!」
遠くから少年を引き止める声が聞こえ、少年は慌ててボタンを押し直す。
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