真々田組

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―――――――――――――― 食堂 白いテーブルに白い椅子。 この清潔感の保たれた食堂に、笠尾と戸次と綿貫の三人は広い食堂の隅で固まって、食事を取っていた。 「俺さ、思うんだけど…」 笠尾が口を切り出し、綿貫が箸を止める。 「何?」 「どうしたよ笠尾。 心気臭い顔して」 綿貫に続けて、戸次も動かしていた箸を止めた。 「俺ェ……、ここを出ようと思うんだ」 「え!?」 唐突な事に唐突は食べていた物を詰まらせる。 「ゲホッゲホッゲホッ!」 「おいおい……」 笠尾は喉を詰まらせる戸次にコップを手渡す。 戸次はコップに入った水を喉に流し込み、急いで呼吸をする。 「驚かすなよな…」 「ゲホッゲホッ! ウルセー!それはこっちの台詞だ!」 「二人共、落ち着いて」 笠尾と戸次の間に綿貫が入り、仲裁する。 「それで、笠尾くん。 ここを出て行くって、一体どう言う事よ?」 「そうだよ笠尾。 …まさか、敵に寝返るのか!?」 「んな訳ねェだろ…。 これだよ、これ」 そう言って、懐から一枚の小さな紙を取り出し、綿貫と戸次に見せた。
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