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家に帰る頃には辺りは暗くなっていた。
繁華街の明かりが遠く離れたこちらにも見えるほど騒がしく鮮やかに輝いている。
私はこの街に住む女子高生だ。今は友達三人とカラオケに行ってきた帰り。
楽しかったか楽しくなかったかと聞かれればあまり楽しくはなかった。
皆自己中心な人達ばかり。いつもトイレに向かったその場にいない人の悪口を言う。
私はそういう付き合いが嫌いだった。そういう友達なら私はいらない。
私は家にも帰りたくなくて近所の公園のブランコに腰を掛けた。夏の夜の生暖かい風が私の頬を撫でる。
しかし皮肉なことに私は友達に嫌われたくないから付き合っている。
そうだ。嫌われたくないだけだ。
『鈴って本当に馬鹿だよネー、なんか、知能指数1ってカンジ? 本当キモい』
どうせ知能指数1だ。馬鹿だよ。なんの関係があるの? なんで笑ってるの? なんで。
私はブランコの鎖を握りしめる。自分の両手が痛くなるほどに。
「もうやだ……皆、消えちゃえばいいのに」
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