白川 鈴/一周目

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 私は自分が微睡んでいることに気づいて焦りながら瞳を開けた。  どうやら、ブランコに座ったまま眠っていたらしい。  しかし、先程とは何かが違うような気がして私は辺りを見回した。  向こうの繁華街に、灯りが灯っていないことに気づいた。生暖かい風も吹いていない。  私はなんだか怖くなってしまって、無理矢理笑顔を作り「あ、あー、今何時だろっ?」と、精一杯の虚勢の笑いを浮かべ、私は腕時計を見た。そして固まる。 「午後、八時?」  それは私がカラオケ店から出て、この公園のブランコに座った時刻だった。
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