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「ねえ、そこの姉ちゃん」
もう少しで家に着くところで、いきなり声をかけられた。
それは子供のような声だった。携帯のライトで、恐る恐るその声がする方を照らす。手が震える。もし幽霊だったらどうしよう。
そこにいたのは、かわいらしい顔立ちの少年だった。なんでこんな夜遅くにこんな子供が……?
「姉ちゃん【白川 鈴(しらかわ すず)】ってんでしょ?」
た、確かに私の名前は白川 鈴だ。でも、何でこの子が……。近所の子かなあ?
「ねえ君、お母さんとお父さんは?」
私はとりあえず少年に問いかける。少年は頬を膨らませ、不機嫌を表した。
「オレの話聞いてないでしょ」
う。そ、そうだ、とりあえずこの子の話を聞いてあげよう。
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