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その時だった。
小さな、小さな音を立てた。
心臓がドクンと跳ねたのだ。
……へっ?
それは一瞬で、あまりにも小さな音で。
これが俺の中でのきっかけとは気が付けなかった。
「やっぱり居ましたね。」
新たに現れた人物の声に掻き消されたのもあるかもしれないが。
声の方へと首を動かすと、んふふと笑みを浮かべるひとりの男が立っていた。
笑顔なのに、気のせいだろうか。
ビクッとする怖さがあった。
ソラ「……あっ、ミナ。
今日バイトじゃなかった?」
ミナと呼ばれた男はえぇとだけ答えてふたりに近付いてきた。
そんな男にハッとしたのは家主だった。
さっき見せた笑顔は消え、男から視線を逸らしていた。
どうしたんだろう……?
気になる俺は未だそこにいた。
ミナ「……シキ?
あんたさ、別れるって言いましたよね!?」
家主「……っ!」
よくわからないが、どうやら家主には恋人がいるようだ。
あの時喧嘩していた人だよね?
……どんな人だろう。
何となく気になる中、男は室内へと入っていった。
今の人、誰だろう……?
気になるけど、窓が閉められてしまって会話がわからない。
そんな俺の元にソラさんは気が付いたらいた。
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