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ふにゃっと笑いながら、ソラさんは俺の隣にしゃがみ込んだ。 ソラ「シキなら大丈夫だよ。 ミナは心配してるんだ。」 心配って? 聞きたいけど聞けない。 俺の言葉は届かないから。 どうしてだろう。 知りたいって思った。 家主のことを。 ソラ「……別れてなかったのか。 説得したのに。」 ハテナマークが頭に浮かんだ。 疑問はたっぷりだ。 ソラ「助けてくるね? 安心していいから。」 これまたハテナマークだ。 どうして安心していいからなんて言葉が出るのかわからない。 まるで俺が心配してるみたいだ。 心配なんてしていないのに。 立ち上がるソラさんはボソッと呟いた。 ソラ「もう茶猫来ないのかなぁ。 可愛かったのになぁ。」 あっ、……忘れてたし! 白「見てくるよ。」 俺の声にソラさんは俺を見てきたが首をかしげていた。 伝わらないから。 ソラさんには。 にゃーとしか。 駆け出す俺をソラさんはふにゃっとした笑顔で見送ってくれていた。  
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