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聞きたいことがある。
だけど、聞けない。
俺は猫で、彼らは人間だから。
仕方ないことなのに。
なんだか歯痒かった。
あの室内でどんな話がされているのだろうか。
ただ分かったこともある。
例えば家主にはソラさんとミナという友達がいること。
しかも、かなり親しいようだ。
ソラさんは独特な空気感を持っている。
もうひとりはよくわからないが、友達思いなのは間違いなさそうだ。
そして、家主には友達から反対される恋人がいること。
ミナ「分かってますよね!?
アイツには」
いきなり響いてきた声に俺は立ち止まって振り返った。
シキ「俺だって……っ、分かってるよ!」
ソラさんが窓を開けた為、ふたりの言い合う声が俺の耳に届いたのだ。
ソラ「ふたりとも落ち着いて?」
ふたりを止めるソラさんの声。
窓は閉められ、俺は見てることしか出来なかった。
窓にへばりついても聞きたい気持ちを押さえる為に俺は首を振った。
耳に残る苦し気な家主の声を消し去りたくて、俺はひたすら走った。
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