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茶「ねぇ、知ってる?」
ふたりを見送った茶々はペロペロとまた牛乳を舐めだし、俺に話しかけてきた。
白「知ってるって……何を?」
茶「噂だよ、噂!
あの恐い人、……やるんだよ~♪
まぁね、黙ってれば格好いい顔してるもんね!」
ペロリとたいらげた茶々は俺のごはんを欲しそうに見ていた。
俺はそれどころではなかった。
あまり他の野良と仲良くしてない俺は噂を耳にする機会がない。
だから、猫たちの間で家主のどんな噂があるか気になって仕方がない。
白「一体何だよ?」
茶「ごはん、もらっちゃうよーっ♪
教えるお礼ね☆」
パクッと俺のを食べ、茶々は容器を前足で器用に自分の方へと動かした。
茶「発表しますっ☆
あの人、絶対可愛い彼女がいるよ!」
ガクッと俺はきた。
恋人がいるのはこの間のソラさん、ミナさんの会話で知っていたからだ。
あれ?
白「可愛いって……何で知ってるわけ?
見たことあるの?」
可愛いなんて実際に会ってみないとわからないものだ。
この言い方だと、茶々は家主の彼女に会ったことがあることになる。
茶「えっ、ないよ。
あるわけないじゃん☆」
白「それじゃぁ、可愛いかなんてわからないよ。
すげーブスかもしれないじゃないか。」
茶「それはないよ~☆
可愛い声なんだもん、あひゃひゃ♪」
楽しげに笑ったかと思えば、茶々は俺に顔を近付けて口にした。
喘ぎ声、と。
白「なっ!?」
思わず声が裏返った俺を茶々は楽しげに笑っていた。
茶「あひゃひゃ♪
白ちゃんってば、慌てすぎだよ~☆」
白「まさか、盗み聞き!?
最低だな。」
茶「違うってば!
窓が開いてるんだよ。
基本的に曜日決まってるからね。
その曜日の日は聞こえる率高いんだ。
もうね、絶対わざと開けてるんだよ!
そういうプレーだよ♪」
絶句する俺をよそに、茶々は容器に入っていたごはんを残さずたいらげた。
茶「満足じゃ~☆
うーん!
ここの芝生、いいね!」
なんだかショックだった。
彼女がいたら、そういうことがあってもおかしくはない。
ただ、出会ったあの日もと思うと。
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