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*シキ* さっきから視線が痛かった。 隣からジーッと見られていた。 いつも絵に関する時間帯、つまりは興味のない講義中は寝ているソラさん。 そんなソラさんが今日は起きていた。 「で、あるから……」 熱弁する講師。 その声に集中出来なかった。 ソラさんの視線があまりにも痛くて。 迎えになんて、わざわざソラさんは来ない。 来るのは用事がある時だけだ。 無視したって、いずれはちゃんと話さないといけないのはわかっていた。 ミナもだが、ソラさんだって俺を気遣っているのだ。 シキ「……はぁ。」 ずっと無視し続けられない。 ふたりが正しいことくらい。 わかっていても、無視していたい。 出来ないとわかっていても。 俺のため息にソラさんはビクッとしていた。 が、視線は痛いままだ。 シキ「珍しい。 ソラさんが起きてるなんてよ。 まさか、瞼に書いてるなんてオチじゃねぇよな? もしそうなら、すげぇウケんだけど!」 どうしても見れなかった。 きっとソラさんは俺にいつもみたいにふにゃっと笑ってくれるはずだから。 そんな笑顔、見れそうにない。 見たらきっと俺は負けてしまう。 本当は負けてしまいたいのに。 全部ぶちまけて、明日そばにいてほしいのに。 明日。 俺もどうかしてる。 来るの前提なんて。
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