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*ソラ*
シキ「あー、うっせぇーっ!
しつけぇよ、ソラさん!」
講義中は逃げられてしまったが、放課後は逃げられないようにひっつき回っていた。
ソラ「ミナに頼まれたから、仕方ないよ。
ねぇ、バイト行くの止めよう?
ねぇ、バイト」
シキ「辞めない!
同じこと、何度言わせる気!?」
うっ。
そうなるオイラだが、引けない。
だが、シキがキッと睨む顔は正直怖かった。
同じ会話をずっとしながら校舎から出てきた。
だから、シキの顔にはイライラが見えていた。
シキ「あのさ、ソラさん?
バイトだからって、そう簡単には辞めらんねぇの。
同じとこでバイトしてんだから、わかるだろうが!」
またも言葉が詰まった。
ギリギリの人手で回しているのは事実だから。
シキ「それにソラさんが傍で見張ってればいいじゃん。」
ソラ「オイラは売る側で、シキは中だよ?
無理だよ。」
笑うシキに勝てる気がしなかった。
シキ「大丈夫だって!
仕事しに行くだけだし、終わればソラさんとさっさと帰る。
それに、ミナの奴が連行に来そうじゃねぇ?」
はぁ。
やっぱりオイラには無理だよ。
止めらんないや。
強く言えないのには理由があった。
シキが怖いからじゃない。
怖くても、シキを想えば止める。
だけど、あの場所はシキの夢が詰まった場所だ。
シキが自らの味覚で学びたいと選んだ場所。
それを取り上げたくはない。
とはいえ、だ。
シキ「バイトに行くだけ!
なっ?」
頷くしかないオイラはシキを止めることが出来ず、一緒にここの敷地を後にした。
2匹がちょこちょこついて来ていることに気が付かずに。
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