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オイラとシキは同じ場所でバイトをしている。
本当はオイラは違う場所でバイトをする予定だったのだが。
シキ「今日もわかりやすいくらいに多いな、うちの店。
目的はどっちかわかんねぇけどな?」
そう口にして笑うシキ。
オイラの目にも写るはたくさんの女の子たち。
店内に入りきれない女の子たちがきゃーきゃー言いながら店先にいた。
ソラ「忙しそうだなぁ。
やっぱりオイラはパン屋が良かったや。」
オイラはこの店の近所にある喫茶店でバイトがしたかった。
喫茶店をなぜパン屋と呼ぶかは、そこで売ってる手作りパンが絶品だからだ。
シキ「それ言うの何度目だよ。
ミナと代わっちまったのはソラさんだからな。」
元々はミナがここでバイトしていたのだが、いつもこんな賑わいだからミナがパン屋に決まっていたオイラに代わってほしいと泣きついてきたのだ。
当時色々あったオイラとミナ。
それもあり、オイラはミナとバイトを代わったのだ。
ソラ「この人混み見ると、言わずにはいられない。」
シキ「わかんねぇでもないけど。
よっしゃぁ!
今日も頑張ろうな!」
オイラのため息なんて無視だ。
目をキラキラ輝かせたシキは店の角を曲がって裏口へと歩いていく。
あんな顔して隣にいるから、捕まっちゃうんだよ。
ムスッといつもみたいにしててくれてたら。
なんて今更だし、感情が顔に出やすいシキに出来るわけがない。
オイラは忙しくないことを祈りながらシキの後について行った。
そんな願いが叶わないのはわかっていたが。
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