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*白猫* ふたりの後を懸命に追いかけてきたが、見失ってしまった。 茶「あれれ~? 確かこっちに来たよね??? もう、どこ行っちゃったの!??」 白「知らないよ、はぁ、はぁ。」 ゼエゼエしている俺に茶々は仕方なくといった感じだろうが、休憩を選んでくれた。 電柱と壁の隙間に2匹して座り込んだ。 「あんた、シキのとこに居ませんでした?」 疲れ果ててた俺は気が付けなかった。 影が出来ていたことに。 バッと茶々は俺を置いて逃げ出してしまった。 遅れながらも茶々を追いかけながら振り返れば、口にした言葉の意味が分かった。 ミナ「んふふ。 この近くのノラでしたか。」 笑いながら裏口から中へと消えていったのを俺は目線から消した。 茶「ねぇ、ねぇ! 知ってる人?」 白「茶々、面識ないっけ? 家主の友達。 確か……ミナさんっていったかな。」 茶「ねぇ、そしたら近くにいるんじゃない!?」 歩きながら、かもしれないと思った矢先だった。 女の子たちの騒ぐ声がしたのは。 「今日も素敵だったねぇ!」 「ねぇ~♪ やっぱり王子の笑顔は癒やされるわ!」 「私は隣のふにゃっとした笑顔がいい!」 「私は奥にいる人がいい!」 「5人とも格好良過ぎなんだも~ん♪」 隣を歩く俺たちに気が付かずに、女の子たちはきゃーきゃー言いながら歩いていった。 甘い、甘い香りをさせて。 茶「ねぇ、……甘い香りがしたね。 家主からする香りじゃない!?」 白「そうだね。 あの子たちの中にいるってことかな?」 だが、その考えはすぐに消えた。 また同じ香りをまとった女の子たちが来たからだ。 途切れることなく、何組もの女の子たちが同じ方向から来る。 会話は最初と差ほど変わらず、5人の男の人の話だった。 白「みんな同じ袋持ってるね。 もしかしたらその中身から香るのかもしれないね、この甘い香りは。」 茶「あっ! あそこ、女の子がいっぱいだよ!」 そう言って駆け出す茶々。 俺も駆け出した。 甘さが強まっていくのを感じながら、複雑な気持ちを抱えていた。 あの中にいるかもしれないのだ。 家主が愛する人が。
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