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空腹には勝てず、仕方なく俺は茶猫の隣で食べだした。 「……かわいい。 これは可愛がるはずだね。」 可愛がってもらってないけどね。 茶「あっ、僕この近所をエリアにしてる野良だよ! 人間にはもっと愛想良くしてたがいいよ! 君だって餌探し大変なの知ってるでしょ? 貰える時はガッツリ貰うのは野良の鉄則☆」 そう言うと茶猫は石段に座る家主の知り合いの膝に乗った。 「人懐っこいや。 オイラは頼まれて今日はここ来てるんだ。 オイラ、ソラ! よろしくね?」 猫に自己紹介って……変わった人だなぁ。 それにしても、家主と雰囲気が全く違う。 閉めきってなかった謎はこれで解けた。 家主が不在だからだ。 出会ったあの日から今日まで一度もカーテンが開いたことはもちろん、窓も開いたことがない。 茶「ねぇ、ねぇ! ここの家主さんは?」 ソラさんの膝でゆったりしている茶猫。 独特の空気を放つソラさんに、いつもは人間に近寄らない俺も餌が入っていたお皿の傍でゆったりしていた。 白「さぁ? どこかに出掛けてるんじゃないかなぁ。」 茶「愛想振りまきに来なきゃ♪」 コイツ、また俺の餌横取りする気なわけ!? 茶「だって、野良の君の餌をわざわざソラさんに頼む人なんでしょ? いい人だよね、絶対!」 いい人、ねぇ。 どうなんだろう。 よく知らないからなぁ。  
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